目次
はじめに。

新しい習慣を始めるとき、
人はつい、気合いを入れる。
明日から毎日やろう。今度こそ続けよう。
けれど、気合いだけでは、長続きしない。
習慣が続かないのは、
意志が弱いからというより、
始め方に無理があることが多い。
最初から高い基準を置いて、
一度できないだけで嫌になる。
結果が見えないと、やめてしまう。
これでは、続かない方が自然である。
この講義では、
習慣を生活の中に置くための、
小さな工夫について述べていく。
続かない理由。

習慣を邪魔するものは、
だいたい身近なところにある。
散らかった机。鳴り続ける通知。
すぐ手に取れるスマホ。
そして、早く変わりたいという焦りである。
人は、大きなことを始めたくなる。
本を毎日三十分読む。
腕立て伏せを五十回する。
英単語を百個覚える。
立派ではあるが、毎日の暮らしには少し重い。
小さく置く。

習慣は、できるだけ小さく始める。
本を一ページ開く。
腕立て伏せを一回する。
英単語を一つ見る。
それくらいでよい。
さらに、すでにある行動の後ろに習慣を置く。
朝、コーヒーを淹れたら本を開く。
風呂から上がったら化粧水をつける。
帰宅したら、腕立て伏せを一回する。
きっかけが決まると、考える手間が減る。
本は見える場所に置き、
スマホは少し遠くへ置く。
人は意志よりも、
目の前の環境に動かされやすい。
目の前の一ミリ。

遠くの目標は、方向を決めるには役立つ。
ただ、今日の行動までは、代わってくれない。
見るべきものは、
今日、ほんの少し動いたかどうかである。
小さく、低く、静かに続ける。
一回では何も変わらない。
それでも、一滴ずつ落としていると、
あとから形が変わっている。
習慣設計とは、頑張り続ける方法ではない。
頑張らなくても、
一滴を落とせる場所をつくることである。
それでは、次回講義にて。✋

