目次
はじめに。

机の上に物が増えてくると、
探しものが多くなる。
どれも必要に思えて置いておくのだが、
増えすぎると、
必要なものまで見つけにくくなる。
暮らしも、どこか似ている。
やりたいことを増やし、
欲しいものを増やしていく。
前へ進んでいるつもりでも、気がつけば、
どこにも辿り着いていない。
思考も、時間も、力も、
広げすぎると薄くなる。
この講義では、
「より少なく。しかし、より良く。」
という考え方について、述べていく。
より少なく。

人が一日に使える時間には限りがある。
お金も、体力も、集中力も、
自由に使える量は決まっている。
それでも私たちは、何かを増やしたくなる。
前へ進んでいる実感が欲しいからだ。
けれど選択肢が増えると、迷う時間も増える。
あれこれ考えているうちに、
どれも浅く終わることがある。
そんなときは、一度、増やす手を止めてみる。
いま必要なものは何か。
なくても困らないものは何か。
そう考えていくと、
意外に少ないもので足りていることに気づく。
より良く。

数を減らすほど、残りに注力できる。
読む本を絞れば、一冊をじっくり深く読める。
習慣を絞れば、毎日続けやすくなる。
やることを絞れば、
ひとつの仕事に気持ちを込められる。
数が少ないからこそ、手入れが届く。
庭の木も、枝が増えすぎると、
内側まで日が入りにくくなる。
少し枝を整えると、残った葉に光が届く。
人の暮らしにも、同じようなところがある。
より少なく。しかし、より良く。

何を続けるかを決める。
何をやめるかも決める。
広げるより、深める。
増やすより、残す。
余計なものが少し減ると、
すでに持っていたものが、
前よりよく見えることがある。
より少なく。しかし、より良く。
それでは、次回講義にて。✋

