足るを知る。

人物のまわりに、服・食事・家・水・本のアイコンが円形に並んだ、足るを知るを表すシンプルな黒のピクトグラム。
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はじめに。

足元に服・食事・水・寝床がある人物が、大きな家と車を思い浮かべている、足るを知るを表した黒のピクトグラム。

部屋を見渡してみると、
案外、いろいろなものが揃っている。
着る服があり、食べるものがあり、
雨風をしのげる場所がある。
蛇口をひねれば水が出て、
夜になれば、安心して眠ることもできる。

ところが、人は不思議なもので、
持っているものより、
持っていないものの方がよく見える。
もう少し収入があれば。
もう少しいい車に乗れたら。
もう少し立派な生活ができたら。
そう考えているうちに、
いまの生活が貧しく思えてくる。

この講義では、
足るを知るという考え方について、
述べていく。


比べると、足りなくなる。

スマホを見る人物と、画面内に家・旅行・車のアイコンが描かれた、SNSによる比較を表す黒のピクトグラム。

現代は昔よりも、他人の暮らしがよく見える。
SNSを開けば、知らない人の旅行や食事、
仕事、家、カラダまで目に入ってくる。
眺めているだけなら面白い。
けれど、いつの間にか、
それが自分の生活を測る物差しになる。

上を見れば、きりがない。
収入が増えれば、
もっと稼ぐ人が見える。
いいものを買えば、
さらにいいものが見えてくる。
比較には、終点がないのである。

足りないのではなく、比べることで、
足りなく見えていることも多い。


自分の暮らしを見る。

人物が足元の家・本・食事の3つを静かに見つめている、自分にとって何があれば十分かを表した黒のピクトグラム。

足るを知るというと、
欲を捨てることのように聞こえる。
けれど、何も欲しがらず、
現状に甘んじるという話ではない。

何があれば十分なのか。
何にはお金を使いたいのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
そこが分かれば、
他人の暮らしをそのまま欲しがらずに済む。

欲しいものを減らすというより、
欲しいものを選べるようになる。
足るを知るとは、自分なりの
「これで十分」を持つことなのだと思う。


余った力を、大切なものへ。

本・ダンベル・食事だけが棚に並び、自分にとって大切なものに時間や力を使うことを表した黒のピクトグラム。

不思議なことに、生活の中に
「これで十分だ」と思える部分が増えると、
少し余裕が生まれる。
見栄のために使っていたお金。
比較に使っていた時間。
焦ることに使っていた気力。
それらを、
もっと大切なものへ回せるようになる。

家族と食事をする。
本を読む。
体を動かす。
仕事を少し丁寧にする。
どれも派手ではない。
けれど、こういうものが、
暮らしの土台をつくっている。

足るを知ると、
人生から欲が消えるわけではない。
ただ、本当に欲しいものが明確になる。
すでにあるものを眺めながら、
それでも欲しいものだけを選んでいく。
そのくらいが、ちょうどいいのかもしれない。

それでは、次回講義にて。🖐️


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